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卒アル贈ることば2024

ご卒業、おめでとうございます!

今年は、贈る言葉として植物の話をしてみたいと思います。 草花を例にすると、我々人間がわざわざお金を払って購入する草花と道端に勝手に咲いている草花があります。前者は観賞用である貴種、後者は雑草と呼ばれる雑種に大別されます。観賞用の花は条件の整った環境で、適切な土壌と養分を与えられることで、大きく見栄えのする寡少の花を咲かせることができますが、条件に合わないと期待した通りの大輪の花を咲かせてくれないことがあります(園芸初心者によくある失敗)。一方、雑草は、種の落ちたどんな環境にも順応し、そして、小さくても必ずその場で沢山の花を咲かせることができます。これは、雑草が種(しゅ)を保つために取る“雑草性”というしたたかな生存戦略のひとつであります。また、雑草はよく「踏まれても踏まれても立ち上がり」と表現されますが、実は違います。雑草は「踏まれたらそののまま」立ち上がりもせず生き続けます。そして、クローバー(シロツメクサ)のような雑草は、踏まれるという外部刺激を受け遺伝子を積極的に改変し、踏まれた場所から四葉のクローバーを生じさせる(つまり、踏まれて低く陰になった位置においても光合成の効率を上げるために一葉増やす)ような積極的適応・改善能力を発揮することができます。すなわち、雑草こそが「状況に応じて変化するもののみが生き残る」という進化論で有名なダーウィンの自然選択説の頂点に立つ最強種であるといえるのです。池井戸潤さんの小説「半澤直樹シリーズ」の言葉を借りれば、踏まれてもとの状態に戻るのではなく(これを「一倍返し」とし)、踏まれても枯れずにそのまま変化してみせて貴種の何倍もの花を咲かせる底力を発揮すること、これが雑草のもつ、やられたらやりかえす「倍返し」の戦略です。實方研卒業生の皆さん、工芸大卒業生の皆さん、そして横山先生、自身がたまたま降り立ったその場所(会社や組織)で、タフな雑草のように自分の花を、また社会という時流に身を任せながらしなやかに時分の花を、そしてしたたかにまことの花を咲かせてみようではありませんか。社会という野に放たれた皆さんがどのような花を咲かせたのか、今度研究室に遊びに来たときに聞かせてください。その日を心待ちにしています。またお会いする日まで、ごきげんよう!

雑草魂を愛してやまない
工芸大のはなさかじいさんより

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