Research
THEMES

Fig. 1 Optical emission of HPPMS Plasma.
1.高出力パルスマグネトロンスパッタリングの新規プラズマ診断法の開発(※1)
我々の研究グループでは、リフレクトロン型飛行時間質量分析計とレーザー光イオン化法を組み合わせた世界初のプラズマ分光診断法の開発に成功しました。
これにより、プラズマ内に発生するスパッタ中性粒子およびそのイオン粒子の両方を質量分析計でモニターすることが可能となりました。
今後さらに、多色多光子レーザー分光法ならびにレーザー飽和吸収分光を導入し、プラズマ分光計測法の高精度化を図っていく予定です。

Fig. 2 Reflectron-type time-of-flight mass spectrometer using laser photoionization.
2.変調パルスマグネトロンスパッタリングにおける硬質成膜のためのスパッタリングプラズマ制御法の開発(※2)
マグネトロンスパッタリングは、従来の直流方式に始まり、パルス方式の導入・開発によりアーキング限界を避ける形で、
スパッタ源により大きな電力を投入できるように発展を遂げてきました。パルス方式におけるアーキング回避の方法は、
ショートパルス&大電力のHiPMIS方式とロングパルス&変調パルスのMPPMS方式という二つに代表されます。
我々の研究グループではMPPMS方式を用い、その中でも特にアークフリー特性に優れた深振動(Deep Oscillation)という櫛(くし)状電力波形を用いた深振動マグネトロンスパッタリング(DOMS方式)について、そのスパッタリング特性ならびにプラズマ制御の研究を行っています。

Fig. 3 Evolution and development of power-input methods in magnetron sputtering.

Fig. 4 Electromagnetic field analysis for sputtering sources by finite element method.
3.非平衡大気圧低温プラズマジェットによる新規プラズマプロセッシングの研究(※3)
大気圧プラズマジェットは、アルゴン等の放電ガスの費用を除けば500円硬貨ワンコインという安価な費用で作製できる簡便なプラズマデバイスです。そしてこれは、指や肌に触れさせることのできるほど低温なプラスマを発生させることができますが、
今そのプラズマプロセッシングへの応用は、金属やガラス、PET樹脂等の表面改質や人工ダイヤモンド合成等の材料工学はもとより、
がん治療、皮膚病治療、殺菌滅菌、ウィルスの無効化等の医学、医薬化学成分による副作用のない気体ドラッグ等の薬学、種子改質や土壌への窒素固定化等の農学・地学、空気や水の清浄化・浄化等の地球環境学など幅広い分野へと爆発的な広がりをみせています。
我々の研究グループでは、このような大気圧プラズマジェットを用いた新しい材料の創製を目指したプラズマプロセッシングの研究を行っています。

Fig. 5 Non-equilibrium atmospheric pressure plasma jet.
※1,※22017年度から潟Aヤボ、東北大学大学院理学研究科、神戸大学(豊田理化学研究所)と共同研究を行っています。
※32024年度から東京農業大学と共同研究を行っています。
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