2.運動量

 物体の質量とその速度との積mvを、その物体のもつ運動量という。運動量はベクトル量で、物体の速度ベクトルと同じ向きである。
 ピンポン玉とテニスボールが体に当たったときの衝撃を想像しよう。同じ速さの時には、質量の大きいテニスボールの方が衝撃は大きい。しかし、ピンポン玉の速度が大きくなると、その衝撃はテニスボールと匹敵する。この様に、衝撃はボールの質量と速度に関係する。すなわち、運動量はこの衝撃の大きさに関係する量であるといえる。ふつう、物体のもつ運動量が大きいほど、当たったときの衝撃も大きい。この様に、運動量とは物体の運動の勢いをあらわす量である。
 運動量を用いると、Newtonの運動方程式

と表せる。これは、運動量の時間変化率が物体に作用した力に等しいことを表している。さらに、両辺を時間で積分して、


となる。力を時間で積分した力積という。従って、物体の運動量の変化は作用した力積に等しい。
 衝突の間に作用する力が一定と見なせる場合、力積はF・凾となる。ここで、衝突時間である。

 
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