1.運動とは?

 物体が時間とともにその位置を変えるとき、物体は運動しているという。単位時間あたりの移動距離(位置の変化)を物体の速さといい、速さと運動の方向を表す量を速度という。時間が経っても物体の位置が変化しない場合、物体は静止しているが、この静止状態も運動の特別な状態(速度0)とみなす。

 物体が一直線のx軸上を運動する場合、運動している物体の位置はx座標だけで表される。このように運動している物体の位置が一変数で表される場合の運動を一次元の運動という。また、物体が平面上を運動する場合、物体の位置は直交座標系でx、yの二つの座標で表される。この場合の運動を二次元の運動という。そして、我々の身の回りで起こる運動は一般に物体の位置が直交座標系でx、y、zの三つの座標で表されるので三次元の運動とよばれる。二次元および三次元の運動はx軸、y軸およびz軸方向の一次元の運動に分解して考えることができ、逆に、二、三次元の運動はx、y、zの各座標軸ごとの一次元の運動の合成とみなすことが出来る。

 物体の位置を記述する座標の表示法を座標系といい、x、y、z軸の各軸が直交する直交座標(系)が良く用いられる。次いで原点からの距離(動径)と方位(偏角)で位置を表す極座標(系)が円運動の表示に用いられる。その他に、球座標、円筒座標などがある。運動の表示において、座標系の選び方は任意であるが、運動に合った座標系を選ぶことが運動の本質を理解しやすくする。


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