4.運動方程式による運動の解析
これまで見てきたように、物体に作用する力と運動の初期条件がわかると、物体の運動は一意的に決定される。これは、
(1)
(物体に作用する力)の式に基づいて、運動方程式をたてる。
(2)上記の微分方程式を、与えられた運動の初期条件(時刻0における物体の位置と初速)のもとで解く。
の手順で求められる。
例えば、滑らかな床の上で、質量mの物体を初速度v0で水平に投げ出したときの運動について考える。ただしこの場合、物体は速度vの自乗に比例する−kv2の抵抗力を受けるものとする。時刻tにおける物体の速度をv(t)とすると、運動方程式は
で、この場合の運動の初期条件はv(0)=v0である。これは、
と変形して、両辺を時間tで積分すると、
より、
である。また、初期条件より、C1=−1/v0である。従って、
となる。
次に、より複雑な運動について考える。ばねに繋がれた質量mの質点が復元力−kxの他に、外力F(t)と速度に比例する空気抵抗−γv(=)を受けて一次元の運動をするときの運動方程式は、時刻tにおける物体の位置をx(t)とすると、
と表される。これは線形微分方程式とよばれ、この場合、外力F(t)と初期条件が与えられると、具体的に解くことが出来る。一般的に、運動方程式は、物体の時刻tにおける位置ベクトルをr(t)とすると、
質点に作用するすべての力の和
という形で与えられる。