3. 偏光素子
 
 太陽や白熱電球および蛍光灯などの光源から放射される光は、振動面が不規則でその時間平均をとると、一様にあらゆる方向に振動している。このような光は自然光(natural light)あるいは非偏光(unpolarized light)とよばれる。
 
 自然光から直線偏光成分を取り出すのが偏光子で、偏光子を透過した光は偏光子の透過軸(transmission axis)方向に振動する直線偏光となる(右図)。さらに、この直線偏光に対し、もう1枚の偏光子(この場合,検光子という)を用意し、直線偏光がこの検光子を透過できるかどうかを調べる。
図3-1
参照 実験 2)λ/4板のはたらき
まず、入射直線偏光の振幅をAとし、直線偏光の振動方向と検光子の透過軸とのなす角をθとすると、検光子を透過する直線偏光の振幅成分はEcosθである。
 まず、入射直線偏光の振幅をAとし、直線偏光の振動方向と検光子の透過軸とのなす角をθとすると、検光子を透過する直線偏光の振幅成分はEcosθである。
 
 従って、検光子を透過する光の強度Iは、

となる。ここで、は最初の偏光子を透過して検光子に入射する光の強度である。式(4)の関係をMalus(マリュ−)の法則という。
二枚の偏光子において二つの透過軸が平行な場合(θ=0:平行ニコル)透過強度は最大となり,互いの透過軸が直交する場合(θ=90°:直交ニコル)透過光は0となる。このような状態を消光(extinction)という

図3-2